2013年11月27日水曜日

ご飯とキムチの旨い街・全州(チョンジュ)





韓国人に「韓国で一番食べ物がうまい所はどこ?」と聞くと10人中7~8人は全羅道(チョルラド)と言います。全羅道は韓国の南西に位置し、山岳地帯と海に囲まれた穏やかな気候の地域です。この地域を代表する都市のひとつが全州です。

全州は山岳地帯と海に続く平野との境界に位置しており、野菜や米を代表とした穀物、肉、海産物など双方の物産が行きかう交易の場、また交通の要衝として1000年以上前から続く古い街です。短い期間ですが首都が置かれた事もあり、現在は全羅北道の道都となっています。中心部には今でも韓国伝統家屋の町並みや伝統市場が残っています。また、伝統舞踊、歌い手と太鼓で物語を表現するパンソリなど文化も発達しています。

豊かな物産と高い文化を持つ全州は料理も発達して韓国料理の発展の一翼を担ってきました。韓国で有名な料理にビビンバがあります。ビビンバはご飯を器に盛り、その上に下ごしらえした野菜、鶏卵、銀杏、松の実、栗、くるみ等を乗せた料理で唐辛子味噌を入れてからよく混ぜて食べます。これら多彩な食材は全州近郊で産出します。特に全羅平野が韓国有数の味の良い米の産地なので、全州ビビンバは韓国のみならず、世界にも名を広げています。 


また、韓国の食卓に欠かせないキムチ。白菜、大根、きゅうり、えごまの葉などの野菜と海で獲れた海産物の塩辛を使って、辛い中にもまろやかな味わいのあるキムチが出来上がります。その他、李氏朝鮮王朝の故郷により発達した宮廷料理、熱いスープにご飯を入れた簡単な料理・豆もやしクッパ、日本でも人気のマッコリも有名です。この伝統と文化の町、全州にてこれらの料理を味わってみてはいかがでしょうか。
ソウルから日帰りできる忠清北道の観光地② 法住寺



法住寺(ポプチュサ)は韓国の中央部・忠清北道報恩(ポウン)郡にある古刹で西暦553年に新羅の高僧、義信によって創建されました。朝鮮王朝での仏教弾圧でも廃寺をまのがれ、現在まで1500年近く存続してきました。境内には国宝や重要文化財が数多くあります。その中でも木造の塔・捌相殿(パルサンジョン)[国宝55]は創建当時からあったといわれ、近年の解体補修工事で塔の中央に心柱があるのを発見し建設当時の重要な資料となりました。文禄・慶長の役[韓国名:壬辰倭乱]時に焼失し、現存する塔は1624年に再建されたものです。[201311月現在、補修工事中]また雙獅子石灯は西暦720年に作られました。韓国歴史ドラマでも有名になった善徳女王が統治していた頃です。塔は雌雄2匹のライオンが立った状態で向かい合っているもので、新羅時代の典型的な石塔楼で芸術性の優れた作品です。境内は南西に向いている本殿を中心に20前後の建物や仏像、石塔が散在しています。
ここは仏教寺院の生活を体験できるテンプルステイも人気で境内の隣に宿舎があります。最近完成したもので、快適なテンプルステイを満喫できます。また、寺の背後には標高1058mの俗離山(ソンニサン)があり年中登山客でにぎわいます。
寺の入り口から歩いて15分位のところに門前町があります。ここには大きな駐車場があり、車で参拝に来た人はここで車を止めてから歩いて寺に向かいます。周囲には食堂が立ち並び、周囲を山に囲まれたこの土地の名物・きのこ鍋(ポソッチョンゴル)を目当てに来る人もいます。また、漢方薬も多く産出し、道路の脇で薬草を売っています。漢方の需要の高い韓国ならではの風景です。
バスターミナルもあり、大田や清州、ソウルから直行バスが出ています。自動車では京釜高速道路から清原(チョンウォン)JCで清原尚州高速道路に入り、報恩ICで降りて45分です。
この門前町を過ぎたあたりに正一品松(チョン・イルプンソン)という大きな松の木があります。今から550年前、朝鮮王朝第7代国王・世祖(セソ)がここを通った時に松がお辞儀をするように枝を下に垂らしたので、世祖は「感心な松だ」と喜び、この松に正一品という冠位を与えたという言い伝えがあります。世祖はNHK-BSで近年放送された韓国ドラマ『王女の男』の主人公の父、キム・ジョンソを暗殺し政権を掌握した癸酉靖難(ケウジョンナン)を主導した首陽(スヤン)大君です。
歴史の古いだけに数多くの記録や言い伝えが残されている寺です。


                 金剛門

                 弥勒大仏

                 国宝・雙獅子石灯

                 本殿

                    テンプルステイ施設



                    法住寺門前の食堂街



                   この周辺で採れる漢方薬材 道端で売っています


正一品松

ソウルから日帰りできる忠清北道の観光地① 青南台



韓国の中央部に位置する忠清北道(チュンチョン・プクト)は唯一海岸を持たない内陸の道です。他と比べて有名観光地が少なく、専ら通過する事の多い地域ですが、あまり知られていないだけで、楽しく面白い所はたくさんあります。また、ここはソウルから150km前後なので、日帰り観光が可能です。今回はソウルからの日帰りオプショナルツアーとして最適な観光地を紹介します。
忠清道の大都市・大田(テジョン)の東に位置する人工ダム、大清湖のほとりに建つ韓国大統領の別荘、青南台(チョンナムデ)です。青南台は1980年に当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が周辺の環境の良さを気に入り、大統領専用の別荘として建設したのが始まりです。その後、歴代の大統領が使用してきましたが、2003年に廬武鉉(ノ・ムヒョン)大統領によって一般に開放されるようになりました。
内部は別荘としての本館と2007年に完成した大統領歴史文化館、それにジョギングコース、ゴルフ場、植物園等が備わっています。本館では解説士がリビングやキッチン、寝室など各部屋ごとの使い方について説明を受ける事が出来ます。大統領歴史文化館では韓国の歴代大統領の公私にわたっての足跡が詳しく展示しており、近代韓国を知る上で貴重な資料となっています。また、周辺は散策コースとなっており、ウォーキングを楽しむことができます。アクセスは京釜高速道路から清原JCで清原尚州高速道路に入り、文義ICで高速を降りて40分です。ただしバス利用の場合は事前にインターネットにて予約が必要です。
観覧時間は09:0018:0012月、1月は09:0017:00)です。入場市内バス運行時間は09:0016:3012月、1月は09:0015:30)、入場料は2400ウォンとなります。定休日は毎週月曜日と11日、旧正月、秋夕です。
 大統領の別荘という観光地としては珍しい所なので、是非一度訪れてみるのもよろしいのではないでしょうか。


青南台正門


青南台正面玄関

青南台

  青南台

紅葉が美しい青南台

                 植物園も併設されています。

                 敷地内にあるウォーキングコース

                 大都市・大田の水がめ 大清湖

              大統領歴史文化館に展示されている歴代大統領の写真

               近年の歴代大統領

2013年11月25日月曜日

世界食文化セミナー~キムジャン祭りを実施しました!



  1. 快晴の日曜日、埼玉県日高市にある高麗(こま)神社で、キムジャン体験イベントが行われました。日韓食文化研究会の主催で、今年で6回目になります。弊社も昨年より、旅の専門店連合会のイベント「世界食文化セミナー」として宣伝協力する形で関わっています。
    食の都、韓国全州在住でキムチ作り(キムジャン)を、日本はもちろん世界に広げようと頑張っていらっしゃる料理研究家の安明子(アンミョンジャ)先生が、白菜の塩漬けから出来上がりまでを熱心に指導していただきました。
    今年は青空のもと、高句麗時代の王様が渡来し移住したとされる韓国と縁の深い高麗神社内の高麗家古宅前広場で約180名もの参加者をいただきキムチづくり(キムジャン)の基本を楽しく学びました。                                                                                                                
    キムジャンは、近々、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されるとも言われています。隣国の文化を素直に学ぶ姿に、どこぞの国を司る方々にもお見せしたい心境です。