2013年1月15日火曜日

★韓国の産後ケアとわかめスープ★


先日、日本の女優さんが韓国で出産、「産後調理院」で産後のケアを受けるというニュースが話題になりました。
韓国では産後の養生というのはとても大切なものという考え方が強く、子供をもつ女性がなにか健康にトラブルがあると、「それは産後の養生が良くなかったからだね、次の出産のときにしっかりすれば治るものだよ。」なんて言われたりする、という話を聞いたことがあるくらいです。

元来そんな考えが根付くところに、核家族化や出産年齢の上昇、女性の社会進出などにより、いままで産後の養生の大きな助けになっていた妊産婦の母親達の手を借りることが難しくなってきたという要因が加わり、今韓国では「産後調理院」は広く普及し、受け入れられているようです。ソウルの知人何人かに聞いてみたところ、「私も第二子を産んだときに行きましたよ」「うちの妻も利用しました」などという回答が多数。逆に「日本にはそういった施設は無いの?」と不思議がられてしまいました。

さて、この「産後調理院」、産後の2~4週間くらい母子ともに入院するのですが、健康のチェックや育児指導、1日5回程度の食事、マッサージやヨガ、母親同士の交流等、様々な産後ケアを行っています。ところによっては家族も宿泊できたり、父親向けの育児教室を催したり、分娩から診てくれる施設もあったりします。価格もサービスも多種多様で、何箇所か見学したことがありますが、それぞれに個性的で同じ調理院でもこんなにも違うのか、と驚いた記憶があります。ただ、清潔で落ち着いた雰囲気はいずれの施設も共通していて、なかでも、ある調理院で黄土の壁に囲まれた広い部屋に通され、「ここで食事をしたり、ヨガをやったりするんですよ」と院長先生が話されたそのなんとも言えない穏やかな空気は深く印象に残っています。

また、韓国の産後の養生と言って、思いだされるものに「ワカメスープ」があります。ワカメにはカルシウムやヨードといった、出産後に必要な成分が多く含まれ、血液循環を良くしたり、便秘を防いだり、子宮の収縮を促進する働きがある、といわれ、出産を終えた女性達によく食されています。(あ、摂りすぎには注意、ということも付け加えておきます。)

昔からの知恵に支えられ、発展し続ける韓国の産後ケア。日本からの調理院利用者もこれからますます増えるかもしれませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿