2013年11月27日水曜日

ソウルから日帰りできる忠清北道の観光地② 法住寺



法住寺(ポプチュサ)は韓国の中央部・忠清北道報恩(ポウン)郡にある古刹で西暦553年に新羅の高僧、義信によって創建されました。朝鮮王朝での仏教弾圧でも廃寺をまのがれ、現在まで1500年近く存続してきました。境内には国宝や重要文化財が数多くあります。その中でも木造の塔・捌相殿(パルサンジョン)[国宝55]は創建当時からあったといわれ、近年の解体補修工事で塔の中央に心柱があるのを発見し建設当時の重要な資料となりました。文禄・慶長の役[韓国名:壬辰倭乱]時に焼失し、現存する塔は1624年に再建されたものです。[201311月現在、補修工事中]また雙獅子石灯は西暦720年に作られました。韓国歴史ドラマでも有名になった善徳女王が統治していた頃です。塔は雌雄2匹のライオンが立った状態で向かい合っているもので、新羅時代の典型的な石塔楼で芸術性の優れた作品です。境内は南西に向いている本殿を中心に20前後の建物や仏像、石塔が散在しています。
ここは仏教寺院の生活を体験できるテンプルステイも人気で境内の隣に宿舎があります。最近完成したもので、快適なテンプルステイを満喫できます。また、寺の背後には標高1058mの俗離山(ソンニサン)があり年中登山客でにぎわいます。
寺の入り口から歩いて15分位のところに門前町があります。ここには大きな駐車場があり、車で参拝に来た人はここで車を止めてから歩いて寺に向かいます。周囲には食堂が立ち並び、周囲を山に囲まれたこの土地の名物・きのこ鍋(ポソッチョンゴル)を目当てに来る人もいます。また、漢方薬も多く産出し、道路の脇で薬草を売っています。漢方の需要の高い韓国ならではの風景です。
バスターミナルもあり、大田や清州、ソウルから直行バスが出ています。自動車では京釜高速道路から清原(チョンウォン)JCで清原尚州高速道路に入り、報恩ICで降りて45分です。
この門前町を過ぎたあたりに正一品松(チョン・イルプンソン)という大きな松の木があります。今から550年前、朝鮮王朝第7代国王・世祖(セソ)がここを通った時に松がお辞儀をするように枝を下に垂らしたので、世祖は「感心な松だ」と喜び、この松に正一品という冠位を与えたという言い伝えがあります。世祖はNHK-BSで近年放送された韓国ドラマ『王女の男』の主人公の父、キム・ジョンソを暗殺し政権を掌握した癸酉靖難(ケウジョンナン)を主導した首陽(スヤン)大君です。
歴史の古いだけに数多くの記録や言い伝えが残されている寺です。


                 金剛門

                 弥勒大仏

                 国宝・雙獅子石灯

                 本殿

                    テンプルステイ施設



                    法住寺門前の食堂街



                   この周辺で採れる漢方薬材 道端で売っています


正一品松

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